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犬を愛することは、素晴らしいこと!もっと、もっと沢山の人に、犬を愛して欲しいと思っています。
しかし、人間の愛情は、間違った使い方をすると、犬の問題行動を生み出す源となってしまいます。

犬が、怖がってブルブルと部屋の隅で震えているとき、抱きしめて「大丈夫だよ」と言ってあげたくなるのが人間の愛情
⇒しかし、それが犬を不安定な精神状態から抜け出せなくしています

例1

犬が、階段から転げ落ちてしまったとき、「大丈夫!?」と駆け寄り「可哀想に」と打った場所をさすってあげたくなるのが、人間の愛情
⇒しかし、それが犬の恐怖症を作り出しています

例2

虐待の過去があり人間を避けようとする犬を、「もう心配いらないから」と、愛情いっぱいに抱きしめ撫でてあげたくなるのが人間の愛情
⇒しかし、それが人間への信頼回復を妨げます

例3

ただ、可愛くて仕方が無いから、好きなことをして、好きなようにさせてあげたい、と思うのが人間の愛情
⇒しかし、それがいう事を聞かず、攻撃的な犬を作り出します

例4

犬を愛すれば愛するほど、上に挙げたような間違いを犯しがち。人間の観点から見ると、何が間違っているのか分かりませんね。
何が間違っているのでしょうか?
それは、「愛情を与える時」です。「犬の愛し方」とは、「どう愛するか」ではなく、「いつ愛情を与えるか」なのです。

犬の精神状態が不安定な時には、愛情を与えてはいけません。

犬の精神状態が不安定な時に愛情を与えることで、犬はその精神状態を「育んで」しまいます。それが、健康な精神状態へ戻る妨げとなってしまうのです。

犬は、群れの「気」を同調させます。人間の世界でもそうです。集団スポーツでは、チームメイト同士、応援団などの「やってやるぜ!」という気が士気を高め合い、最高の状態で試合に臨むことができます。この時の「気」が低下し、皆がなんとなく「今日は勝てないかも・・・」と思っていたら、同じ試合でも勝てないかもしれません。目に見えない「気」ですが、確実に人間の心理にも作用しているのです。

人間の愛情は、犬社会では「弱い気」。怯えた心・傷ついた心・不安定な心を癒すのは、「強い気」です。「ドンと来い、私についてくれば安心よ!」と言った、威厳ある「気」が犬を回復へ導きます。

怯える犬は、無視し向こうから近づいてくるのを辛抱強く待ってください。あなたを、怖い存在ではないと確認し、リラックスしてきたら、そこで愛情をたっぷりと注いでやってください。

犬が階段から落ちた時、転んだ時、ぶつかった時等、ともすればトラウマになりかねないような状況に置かれたときには、何事も無かったように振舞ってください。このとき、人間が「大変!!!」とオロオロすると、犬はそれを「トラウマ体験」と認識してしまいます。飼い主が、「何かあったの?」と何食わぬ顔で通常通り振舞っていれば、犬も「イテテ、やれやれ」程度で、トラウマに発展せずにすむのです。

雷や掃除機など、特定のものを怖がる犬も、怖がっている状態の時にこそ飼い主さんが普通に振舞ってください。「あれ、怖がる必要ないのかな」と犬が感じ、リラックスしてきたらそこで愛情を与えてください。
落ち着くことが難しいハイパー犬も同じです。マッハの興奮状態は、正常な精神状態ではありません。そのような精神状態の時には、愛情を与えないでください。飼い主の帰宅に狂気乱舞する犬を「こんなに喜んでくれているから」と、ついつい愛情を与えてしまいたくなるのが人間ですが、犬が落ち着くまで犬を無視し、落ち着いたらたっぷり愛情を注いでやってください。

「不安」「恐怖」「攻撃的」「興奮」「驚き」など、犬の精神状態が不安定な時には、愛情をあげてはいけません。つらい現実ですが、人間の哀れみや、弱気者を保護する愛情は、傷ついた犬を癒しません。犬の精神状態が不安定な時こそ、リーダーシップを発揮し、正しい状態へ犬を導いてやり、安定した状態のときには、たっぷり、あふれるほどの愛情を注げる飼い主になってください!

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