犬の精神状態が不安定な時に愛情を与えることで、犬はその精神状態を「育んで」しまいます。 それが、通常の精神状態へ戻る妨げとなってしまうのです。
犬は、群れの「気」を同調させます。人間の世界でもそうです。集団スポーツでは、チームメイト同士、応援団などの「やってやるぜ!」という気が士気を高め合い、最高の状態で試合に臨むことができます。 この時の「気」が低下し、皆がなんとなく「今日は勝てないかも・・・」と思っていたら、同じ試合でも勝てないかもしれません。 目に見えない「気」ですが、確実に人間の心理にも作用しているのです。
人間の愛情は、犬社会では、「弱い気」。 怯えた心、傷ついた心、不安定な心を癒すのは、「強い気」です。 「ドンと来い、私についてくれば安心よ!」と言った、リーダーシップの「気」が犬を回復へ導きます。
怯える犬は、無視し、向こうから近づいてくるのを辛抱強く待ってください。あなたを、怖い存在ではないと確認し、リラックスしてきたら、そこで愛情をたっぷりと注いでやってください。 犬が階段から落ちたとき、転んだとき、ぶつかったとき等、ともすればトラウマになりかねないような状況に置かれたときには、何事も無かったように振舞ってください。このとき、人間が、「大変!!!」とオロオロすると、犬はそれを「トラウマ体験」と認識してしまいます。 飼い主が、「何かあったの?」と何食わぬ顔で通常通り振舞っていれば、犬も「イテテ、やれやれ」程度で、トラウマに発展せずにすむのです。
雷や掃除機など、特定のものを怖がる犬も、怖がっている状態の時にこそ、飼い主さんが普通に振舞ってください。 「あれ、怖がる必要ないのかな」と犬が感じ、リラックスしてきたら、そこで愛情を与えてください。 落ち着くことが難しいハイパー犬も同じです。マッハの興奮状態は、正常な精神状態ではありません。そのような精神状態の時には、愛情を与えないで下さい。飼い主の帰宅に狂気乱舞する犬を「こんなに喜んでくれているから」と、ついつい愛情を与えてしまいたくなるのが人間ですが、犬が落ち着くまで犬を無視し、落ち着いたらたっぷり愛情を注いでやってください。
「不安」「恐怖」「攻撃的」「興奮」「驚き」など、犬の精神状態が不安定な時には、愛情をあげてはいけません。 つらい現実ですが、人間の同情や愛情は、傷ついた犬を癒しません。 犬の精神状態が不安定な時こそ、リーダーシップを発揮し、正しい状態へ犬を導いてやり、安定した状態のときには、たっぷり、あふれるほどの愛情を注げる飼い主になってください! |